ワックス・コーティング後の床の日常の手入れ|避けたい掃除方法
施工が終わったあとの床は、普段の扱い方によって見え方の変わり方が違ってきます。 とくに多いのが、汚れを落とそうとした掃除が、かえって仕上げの膜を削ってしまうという行き違いです。 このページでは、日常の手入れで押さえておきたい考え方と、施工した会社に確認しておく項目を整理します。
施工後の手入れは「膜を削らない」から考える
ワックスやコーティングを施工した床では、表面に仕上げの層が乗っている状態になります。 日常の手入れで意識する点は、汚れを落とすことよりも、この層を余計に削らないことにあります。 考え方としては次の三つに整理できます。
砂やほこりは、歩くたびに表面と擦れます。まず乾いた状態で取り除くのが、いちばん負担の少ない手順です。
こする力や薬剤の強さを上げると、汚れと一緒に仕上げの層も落ちます。落ちない汚れは強くするのではなく、相談する対象と考えます。
一か所だけ強く手入れすると、その場所だけ見え方が変わります。全体をそろえるには、結局まとめて手を入れることになります。
掃除機とワイパーの使い方で気をつける点
乾いた状態での掃除は、床への負担がもっとも小さい工程です。道具そのものより、当て方と順番のほうが結果に効いてきます。
床に強く押しつけたまま前後させると、ヘッドの縁が同じ場所をこすり続けます。軽く接する程度で動かし、ヘッドに砂や小石をかみ込んでいないかを時々確認します。
乾いたシートで先にほこりと砂を取ってから、必要に応じて湿らせた工程に進みます。砂が残ったまま押し広げると、細かい線状の跡が残る原因になります。
外から入る砂は、膜を削る側の要因になります。玄関マットや、砂が落ちやすい場所での一時的な足ふきを組み合わせると、床に届く量を減らせます。
毎日同じ経路を通ると、通り道だけ見え方が変わることがあります。家具の配置を変えたときは走行範囲も見直し、段差の乗り上げで角が当たっていないかを見ておきます。
水拭きと洗剤でよくある失敗
相談として挙がりやすいのが、水分と薬剤の扱いです。いずれも「よかれと思ってやった」結果として現れるため、事前に知っておく価値があります。
しぼりが足りない状態で拭くと、継ぎ目に水が入り込むことがあります。かたくしぼる、拭いたあとに乾いた布で追う、といった手順を決めておきます。
台所用・浴室用など床向けと案内されていない洗剤を使うと、膜の状態を変えてしまう場合があります。床に使ってよいと書かれている製品かを、表示で確かめてください。
その場所だけ見え方が変わってしまうことがあります。汚れを落としたい気持ちで強い薬剤に手が伸びやすいところですが、目立たない場所で試してから判断します。
熱と水分を同時に加えることになります。床材と施工の種類によっては想定されていない使い方になるため、使う前に施工した会社と床材メーカーの案内を確認します。
汚れと一緒に膜も削れます。部分的にこすった場所だけ質感が変わり、あとから全体をそろえにくくなります。
気づいた時点で取り除くほうが、後の手当てが軽く済みます。特に色のついた液体は、放置すると跡が残る場合があります。
そもそも水や洗剤を使ってよい床かどうかから確かめたい場合は「ワックスがけができない・不要な床材の見分け方」で床材の確かめ方をまとめています。
家具・ラグ・日差しでつく跡への備え
掃除の仕方とは別に、置いてあるものが原因で差が出ることがあります。部屋の中で同じ場所だけ見え方が変わる場合は、この観点で見直してみてください。
引きずると線状の跡が残ります。フェルトなどの保護材を貼る方法がありますが、粘着が残る製品もあるため、はがしたあとの状態まで考えて選びます。
同じ範囲を繰り返し転がるため、その場所だけ先に変化が出やすくなります。チェアマットを敷く場合は、敷いた面と敷いていない面で見え方の差が出ることも想定しておきます。
滑り止めの加工によっては、長期間同じ場所に敷いたときに跡が残ることがあります。時々位置をずらす、裏の素材を確認してから敷く、といった扱いにします。
接している部分に荷重がかかり続けます。移動させるときは持ち上げる、当て板を使うなど、引きずらない方法を決めておきます。
受け皿に水がたまったままになると、接している部分に水分が残り続けます。鉢の下に台を置いて風が通るようにする方法があります。
窓際だけ見え方が変わることがあります。カーテンやブラインドで直射を和らげると、部屋の中での差が出にくくなります。
気になる箇所が出てきたときに踏む順番
見え方が変わってきたと感じたら、自分で対処を重ねる前に順番を決めて動くほうが、あとの相談がしやすくなります。
- 1気になる箇所の写真を撮り、いつごろから気づいたかをメモに残す
- 2同じ部屋の目立たない場所で、普段どおりの掃除をして変化するかを試す
- 3変化がなければ、施工した会社に写真とメモを添えて相談する
- 4施工から日が浅い場合は、手直しの申し出に期限がないかを先に確認する
- 5自分で市販品を塗り足す前に、既存の施工と重ねてよいかを確認する
塗り直しの相談に進むかどうかの見きわめは「ワックスの塗り替え時期を年数ではなくサインで判断する方法」で扱っています。
引き渡しのときに施工会社へ聞いておく手入れの条件
手入れの方法は、施工した内容に合わせて聞くのがいちばん確実です。作業が終わって引き渡しを受けるときに、次の項目を口頭ではなくメモや書面で残しておくと、あとから確認できます。
- この床で使ってよい掃除道具と、避けたほうがよい道具はどれか
- 水拭きをしてよいか。よい場合のしぼり方や頻度の考え方
- 使ってよい洗剤の種類(製品名または表示の見方)
- 汚れが落ちないときに、こすってよい範囲はどこまでか
- 家具の保護材を貼ってよいか。避けたほうがよい粘着の種類はあるか
- 次に相談するときに、どの状態になったら連絡すればよいか
保証が付く施工では、指定外の手入れを行ったことが保証の対象外の理由になる場合があります。保証書がある場合は、手入れに関する記載も一緒に読んでおいてください。